待望の雨水渠完成!
八木・緑井地区の豪雨対策のため、都市計画道路長束八木線の
地下に整備していた雨水渠については、シールド工事の掘進途
中に想定を大幅に超える強度の転石が出現したことから作業が
難航し、完成が遅延していました。
このたび、都市計画道路川の内線の地下区間も併せた総延長約
3㎞について、待望の完成を迎え、先月末に供用が開始されました。
私は、昨年9月議会一般質問で確認し、適宜視察を行って進捗状況
を注視するなど、安全な工事進捗を応援してまいりました。
◆雨水渠視察の状況(2021.10.28)
雨水渠の完成に伴い、市から雨水渠の内部写真の提供を受けました
のでご報告します。
県営緑丘住宅下に防音ハウスが設置され、シールド工事の発進基地
となっていましたが、本年1月中旬には撤去され、現在地中には、特
殊マンホールが築造されています。
◆雨水渠視察の状況(2021.10.28)
◆現在の状況
雨水渠は、県営緑丘住宅から八木ヶ丘団地までの約1㎞、内径5.25m
からなる巨大な貯留管で構成され、約2万2千tの雨水を貯留でき、平
成26年8月20日の被災当時の降雨量に対応できるそうです。
山側の河川から流れてくる雨水は、一旦雨水渠内部のマンホールを経
由し、平地側の河川へ流れますが、平地側河川の流下能力を超える雨
水は、上部の窓枠のような空間から貯留管に取り込まれます。
このように、放流先の一級河川古川があふれないよう安全に流すため
の流用調節は、技術的に高度な構造で機能しています。
投入マンホールには、ドロップシャフトと呼ばれるらせん状の設備が
設置されています。大量の雨水が流れ込んだ際、騒音が発生しないよ
う、らせんを伝って流れを減勢するものです。
道路の地表面には、雨水渠工事を終えたマンホールがのぞいています。
引き続き道路工事に着手され、本年度末の完成を目指して進められます。
長きにわたった雨水渠工事ですが、自然相手に苦労を重ねながらも、
たゆまぬ努力で完成を遂げた請負業者や行政関係者、工事へのご理解
・ご協力をいただいた地域の皆様に、心から感謝申し上げます。
雨水渠の完成により、被災地の安全性は着実に高まりますが、自然が
猛威を奮ったとき、私たちは、防災インフラによる安全神話も崩壊し
兼ねないといった教訓を忘れてはなりません。
自分や家族を守る基本的かつ確実な方法は、できるだけ早く安全な場所
へ避難することです。大災害を経験している私たちは、避難行動の促進
・定着に向けて、しっかりと防災意識の醸成に取り組んでいかなければ
なりません。
2022/04/02