鳥獣被害対策
全国的に過去最多のクマ被害が報じられる中、安佐南区の八木学区
においては、シカやイノシシ、アナグマといった鳥獣被害が深刻に
なっており、周辺にお住まいの方から相談が寄せられました。
三篠川、根の谷川、太田川の三河川が合流する太田川河川敷は、キジ
が生息する風光明媚な場所となっている一方で、人の背丈以上の草木
が繁茂し、農作物被害をもたらせる獣の潜み場となっています。
太田川を管理する、国土交通省中国地方整備局・太田川河川事務所へ
除草・伐木の相談をしたところ、河川管理者として、管理上必要な堤
防等の除草などは定期的に行っているものの、今回の河川敷について
は、治水上も管理上も、現時点ではその必要性が認められないため、
速やかな対応が難しいとのことでした。河川管理者として適切に管理
されていることは理解できましたが、太田川河川事務所としても引き
続き注視していただくこととなりました。
次に、有害鳥獣対策について、安佐南区農林建設部に相談しました。
安佐南区では、次の3手法を基本に、イノシシやシカ、サル等の有害
鳥獣への対策を行っています。
①防除(自己防衛)
②駆除(駆除班による捕獲)
③環境整備(里山林の手入れなど有害鳥獣が出没しにくい環境づくり)
◆箱わな
安佐南区役所では、この3手法を織り交ぜながら被害対策を進めてい
ますが、野生鳥獣の生息域は全市的に拡大しており、頭を悩ませてお
られました。
農林産物と生活環境への被害防止と軽減に向け、相談を受けた際には
職員が現場に出向いて対応され、その数は多い日には3~4件に及ぶそ
うで、安佐南区役所として最大限取り組まれています。
昨今の鳥獣被害には、長い時を経て人が山から撤退し、鳥獣の生息場
所と人が住んでいる場所の距離が近くなっている、過疎化した集落で
山の手入れがうまくできない、集落と森の境界線が不明瞭となってい
るなどといった複雑な要因が絡み合い、対策は容易ではないと思います。
防除対策には、農林課職員が現地で防除指導を行ったり、農作物被害
を軽減するために設置するワイヤーメッシュなど、防除用施設の購入
に対する助成制度や、有害鳥獣対策に関する専門家を招へいして講習会
を開く際の講師謝礼金に対する助成制度などもあります。
これらの取組を官民、地域ぐるみでいかに徹底できるかが、対策の効果
を大きく左右します。農作物被害のみならず、地域の生活に影響を与え
る鳥獣被害の防止に向け、私も協力していきたいと思います。
2023/11/16