令和6年度安佐南区防災講演会
安佐南区役所講堂において、安佐南区役所・安佐南消防署・安佐南区
自主防災連合会の主催で「安佐南区防災講演会」が開催されました。
広島市の防災まちづくり事業で資格取得した防災士・地域防災リーダ
ーのフォローアップ研修を兼ねています。
会場内外では、これまでに広島市で発生した豪雨災害の写真や避難グッ
ズなどが展示され、防災意識を高める工夫がなされています。
冒頭に高石安佐南区長の挨拶です。
◆第1部
・講演タイトル「復興と伝承、そして8.20広島豪雨災害発災から10年」
・講師 広島市豪雨災害伝承館 副館長 松井憲 氏
松井さんは、平成26年広島豪雨災害において、自宅が被災されています。
その後、復興交流館「モンドラゴン」を開設、防災士の資格を取得され、
現在は、広島市豪雨災害伝承館で講師として防災意識の向上や防災士の
育成、語り部として被災の教訓の伝承に取り組まれるとともに、消防庁
の「防災意識向上プロジェクト」の嘱託で、語り部として全国を飛び回
られています。平成26年の被災を振り返り、市の支援を受けながら地域
で復興に向けた会合を重ね、まちづくりの指針となる「梅林学区復興ま
ちづくりプラン」を作成した経緯を説明されました。
松井さんは、行政のインフラ整備による復興だけでなく、被災者の「こ
ころの復興」を進めるために、被災者にもコミュニティに入ってもらう
よう、茶話会やサロンなど、様々な取組を展開されました。そして、プ
ランに基づき、広島市が広島市豪雨災害伝承館を建設し、指定管理者と
して、法人化した復興まちづくり協議会が管理運営し、あの辛い思いを
二度とすべての人々が経験しないよう、防災教育や教訓の伝承に取り組
まれています。
◆第2部
・講演タイトル 「8.20広島豪雨はどのようにして起こったのか」
・講師 広島工業大学環境学部地球環境学科 教授 田中健路氏
田中教授は、平成26年8月豪雨災害を引き起こした大雨が、どのよう
なメカニズムで起こったか説明されました。天気図右手に太平洋高気
圧、日本海から日本上空に停滞前線があり、そこに南方から台風や熱
帯低気圧が北上してくるような場合には、南方から停滞前線に向かっ
て湿った暖かい空気が次々に流入し、線状降水帯が形成されやすい状
況となり、平成26年豪雨の際は、それに合致します。
また、田中教授は、広島8.20災害における避難対策等検証部会委員
も歴任されており、行政の発する避難情報に耳を傾け、暗くならない、
雨が強くならないうちの早目の避難を心掛けることが重要だと説明さ
れました。
私も防災士の一人として、地域の防災・減災のため、被災の風化や忘
却に抗い、教訓を伝えていくとともに、たくさんの人に、早目の避難
と備えの大切さを訴えていきたいと思います。
2025/02/15